今月7日に行われた米テキサス州で開かれた陸上競技の全米学生選手権男子100mにおいて、フロリダ大学に留学中のサニブラウン・アブデルハキーム選手が9秒97(+0.8m)の日本新記録を出しました。
桐生祥秀選手が2017年に出した9秒98の更新です。
これに先立つ大学の地区大会で初めて9秒台(9秒99)を記録し期待が高まる中、そしてリレーや200mとの連走の中でも自己ベストを更新してしまうところがすごいです。
それでも、ファンを含めてほとんどの陸上関係者は、桐生選手が初めて「10秒の壁」を破った時ほどの驚きは感じてないと思います。
「おお、出たか」
「サニブラウンなら出して当然」
多くの方がこういった思いだと思います。
それも当然で、彼は世界陸上史上最年少のセミファイナル進出者(16歳)であり、世界ユース選手権100m、200mの2冠王であり、世界が期待する「ネクスト・ボルト」なのですから。
サニブラウン選手自身も「ボルト超え」を含む「世界一」が目標と公言していますし、伸びしろだらけの20歳の将来が本当に楽しみです。
今回日本新ではありましたが、レース自体は3着と敗れたことも、きっと彼のモチベーションをさらに高めてくれるはずです。
今月末の日本選手権が楽しみです。
開催地の福岡はサニブラウン選手の生誕地とのことで、ドラマの背景も必然の盛り上がりになりそうです。
もちろん日本記録奪回を目指す桐生選手をはじめ、山縣亮太選手や小池佑貴選手、多田修平選手にケンブリッジ飛鳥選手など究極の切磋琢磨で東京オリンピックでの4×100mリレー金メダルの可能性もぐんぐん高まっていきます。
私は世代的に短距離のスターといえばウサイン・ボルトよりカール・ルイスなので、ロサンゼルスオリンピックでルイスが優勝した100m9秒99よりも日本人選手が速いということが感慨深いです。さらに今回サニブラウン選手を押さえて優勝したナイジェリアのオドゥドゥ選手の記録9秒86が1991年東京世界陸上でのカール・ルイスの世界新金メダル時と同タイムということに時の流れを感じています。
リレーメンバー全員が9秒台の日本チームがアメリカやジャマイカをぶっちぎって東京オリンピックのフィニッシュラインを駆け抜けるということが、今や夢ではなく現実的に期待できる目標になっている現状が嬉しくてたまりません。
コメントをお書きください