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北京五輪その2 金メダリストの体軸

今回の北京冬季五輪に際し、アスリートに密着取材したTV番組を唯一見ていたのが、スピードスケートの高木美帆選手でした。

 

中学生でオリンピアンになり、長く世界の一線で活躍してきた高木選手の競技感や身体感覚などが垣間見られて非常に興味深かったです。

いささか慎重すぎるほどに言葉を探し選んで発言する様が、野球のイチローさんに通じるものを感じさせ、究極のスケーティングを求める求道者・修行僧(尼僧?)のエナジーを放っていました。

 

日本選手団の主将という大役も担われ大きな期待がかかる中、短距離から長距離、そして前回金メダルの団体パシュートまで5種目に出場というハードなスケジュールで競技に臨み、3000m6位、1500m銀メダル、500m銀メダル、パシュート銀メダルという素晴らしい結果を出します。それでも世界記録を持つ1500mや僅差の500mなどは銀の喜びよりも金メダルを逃した悔しさのほうが大きかったようです。

 

連日のレースで画像からも目の下のクマが見てとれるなど、疲労は隠せないところでした。
(狩猟後、ご本人も内臓など身体の中が限界だったとコメントしていました。)

 

それでも、でした。

 

最終種目の1000mのスタート前、高木選手の体軸がバッチリ決まっていたのです。生体エネルギーが正常に循環するにとどまらず、強大なエナジーを放っていました。

「これが〈降臨〉ということなのか!」と思いながら号砲を聞きました。レース中も軸は乱れることなく、見事にオリンピック新記録で1位のフィニッシュでした。

 

500mの金メダリストが次の組にいましたが、体軸に乱れがありこれでは高木選手は超えられないとこの時点で金メダルを確信しました。

 

フィジカル面、メンタル面のコンディションを万全に整えることは当然として、世界最高の舞台で最高のパフォーマンスを発揮するためには、身体のすべてのエナジーが最高の状態にあることが不可欠です。それこそ勝利の神様に微笑んでもらうために。

 

高木選手の求道者的取り組みが結実した瞬間に、胸が熱くなりました。